人間には「慣れ」や「飽き」、「忘れる」といった感情や行動があります。
これは人が人であるための「素晴らしい無意識の行動」です。
こうした行動のお蔭で、ストレスやトラウマから逃れることが可能になっていると思います。
また、人は保守的なものです。「昨日がいい日であれば、今日も同じであって欲しい」と願うものです。「昨日が悪い日であれば、記憶から抹消したい。今日はいい日であって欲しい」と願うものです。
現在の改善活動は、非日常的な行動です。
自らの馴染んだ習慣や行動、思考を変えることです。
そのため、意識しなければ「昨日と同じ行動」の方に引力によって引きつけられていきます。
これが自然の行動であり、人の心理です。
私は製造業の仕事をするようになってちょうど40年ですが、この製造業では改善活動が行われています。
この活動はQCサークル(小集団活動)といわれ、QCサークル本部によれば2018年6月時点で55109サークル登録されているそうです。しかし、こうした活動自体の盛んな製造業でも日本を代表するような企業で品質トラブルにより大事件が起きたりしています。
こうした中で、我が身や周辺に目をやるとIT業界にはQCサークル活動すら行われてないようです。
その一因は、仕事自体が繰り返し型でないがゆえに改善する間もなく次の仕事が始まることも多いからだと思われます。
しかし、その結果ヒヤリハットの品質トラブルはもちろん責任者が顧客に頭を下げに行くようなケースが見受けられ非常に(私が)危機感を覚えたことがきっかけです。
トヨタ生産方式の生みの親でもある大野耐一さんは、「困らないと知恵はでない」と言われました。知恵とは真因の追求の後に生まれるものだとも言われています。真因の追求のためには、最低でも5回のなぜを繰り返せと言われています。
事件事故が発生したことも問題ですが、その対策自体が表面的な原因に対するものや喉元すぎれば忘却してしまう人の心理行動に落ちいっているのではないかと感じました。問題に対して思いついた原因は1回の何故から生まれたものではないのかと思いました。
そこで思いついたのは、製造業のQCサークル的な活動の中で「改善マインド」を知ってほしいと考えました。
この活動を活発にするには以下の3つが必要と考えています。
- 品質の大切さの理解(品質とは顧客にとっての品質。つまり、顧客満足)
- 自分たちの仕事をよりよくするという能動的な行動の習慣化
- 成果に対する組織としての評価
ニュースで「日本の基礎研究投資」が他の先進国との比較で大幅に低下していると問題視していました。
基礎研究はスポーツで言えば基礎トレをせずに器用さだけでこなそうとするような無謀な行為です。改善活動はまさに基礎トレのようなものです。
基礎トレをしないスポーツマンやチーム、改善をしないビジネスマンやビジネスマンが所属する会社、いずれも その将来に成長はありません。衰退のみです。
問題は、現状の課題に目を向けず(多くの人は目を向ける余裕がないといいます)行動しないことです。
行動しなうちに災害は訪れます(なるようにしかならないと言う人もいます)
そうですなるようにしかなりません。
「いまの自分の仕事の内容ややり方がいまのままでいいのか」と聞いたら「よくはない」と答える人が多いかと思います。
しかし、「何が悪いのか」と聞くと回答がない場合が多いのではないでしょうか。
また、原因を挙げられたとしても自分以外(会社の問題、顧客の問題、社会の問題など)を上げたりしていませんか。これは、その問題に真摯に目を向けない証拠です。
でも、これも人間の自然の行動なのかもしれません。気にしすぎても疲れますよね。私もそう思います。
しかし、問題を直視し、自分としてできる改善を進め、自己を高め成長するために日々の改善は大切です。皆さんの人生を豊かにするためにも自分の成長は不可欠です。
私も諦めず働きかけますが、皆さんも自分の将来のために、より(心が)豊かな人生のためにチャレンジしてみませんか。
始めよう1日1プチ改善!