仕事をしているとき、打合せのときにノートにメモを取る人は少なくありません。しかし、ノートにメモを取っている人に限って、タスクを忘れてしまう場合が多い気がします。
こうした人のメモのとり方に共通しているのは、任意の空いたページに記載することです。つまり、時系列的に記載している訳です。私は、このメモのとり方に問題があると考えています。

皆さんは「なぜメモを取りますか」
もちろん「忘れないため」と答える人が多いかと思います。
私はこう考えます。「メモは(安心して)忘れるために取る」のだと。

人が仕事でやるべきタスクには、いろんなレベルのものがあります。

  • 非常に時間の掛かる重たい仕事(集中しても数週間以上かかる仕事)
  • 時間の掛かる仕事(集中しても一週間程度かかる仕事)
  • 集中したら1日程度で終わる仕事
  • 集中したら30分~1時間程度で終わる仕事
  • 集中したら数分以内で終わる仕事

人は、時間の掛かる仕事でも納期までに終わるだろうと思える場合は、それほどストレスは感じませんが、終わるか不安な場合は「メモリーオーバーストレス(自分の力で終わるだろうかの不安)」を感じます。さらに、こうした種々のレベルの仕事が重なりの数が増え、一定の数(人によって上限は違うかも)を超えるとストレスが限界に達し、「インデックスオーバーストレス(記憶できる数の限界超え)」に陥ります。

前者のメモリーオーバーストレスより、インデックスオーバーストレスの方がタチが悪いと考えています。これを放置すると誰でも仕事が手に付かないデッドロック状態になってしまい、快復に時間がかかります。場合によってはメンタルケアが必要な状態になりかねません。

つまり、仕事をする際にインデックスオーバーにならないようにタスクを管理することはとても重要なことだと考えます。
メモの取り方は、このインデックスオーバーを起こさないようにしながら、忘れない方法でないといけません。
タスクには、

  • いまやらないとならない仕事
  • 納期まで少し余裕のある仕事
  • 備忘録的にメモする仕事(納期やタスクが曖昧な仕事)

などがあります。

「いまやらないとならない仕事」はメモするまでのなくすぐやらないといけないため、どんなメモのとり方をしても漏れることは少ない仕事です。

しかし、漏れてしまう仕事の多くは「 納期まで少し余裕のある仕事」と「備忘録的な仕事」です。こうした仕事の管理についてお話しましょう。
多くの人のメモの取り方の問題は、空きスペースにメモを取るため、せっかくメモをとってもどこに書いたか探したり、書いた事自体を忘れたりすることです。この取り方だとメモを取ったことを覚えている必要があり、インデックスを1つ使うことになります。これではインデックスオーバーを防ぐことはできません。
メモを取るということは、インデックスを使わないようにメモしないと意味がありません。そのポイントは、「安心して忘れられるようにメモを取る」ことです。安心して忘れるとは「確実に思い出すところにメモをする」ということです。

確実に思い出すところとは、自分の日々の行動の中で必ず見る場所にメモすることです。例えば、毎日パソコンを開く人の場合は、パソコンを立ち上げた際に必ず気づくようなところに書いておくことです。

さらに、すぐ着手しないタスクの場合もちろん「納期」は大切ですが、もっと大切なのは「開始日」です。できれば開始日になると必ず気づく方法がベストです。開始日に必ず気づく方法でメモを取れば、それまで安心して忘れることができ、それまで記憶のインデックスを使わずに済みます。
いまやらないといけない仕事でもインデックスオーバーしているとすぐ片付けられません。こんなときに重要なのは「棚卸」です。棚卸では仕事の着手順序を決めるのですが、棚卸は人があまりいない朝のオフィスやオフィス外の喫茶店などが適した場所です。

通常時の棚卸のポイントは納期順かつ重要度順かもしれませんが、インデックスオーバー時の棚卸のポイントは、とにかく数を減らすことです。このためには、簡単な仕事(すぐ終わる仕事)から片付けます。通常の優先順は無視して件数を減らすために集中しましょう。終わったらそのタスクを消しましょう。とてもスッキリしますよ。

また、棚卸作業を効率的に行うためには優先順を常に見直せるように貼替え自由な付箋的なものを使うのがお薦めです。

是非試してみてください。

Follow me!