「働き方改革」の法律が施行されました。皆さんも改めて「働く」とは何かについて考えてはいかがでしょうか。
人生で一人前になるということは、就職し「働く」ことを指します。
事前の長い時間(例えば80年とすると)の中で、ど真ん中の40年間ほどが多くの人の会社で働く期間です。「働く」とは「人生そのもの」とも言えます。
人にとって社会と関わりを持ち、何か役に立てることは生き甲斐にも繋がります。
「働く」ことは、直接的には「生活の糧(収入)を得る」ことになります。しかし、人はお金を得ている場満足を十分得られる訳ではありません。仕事を通じて「役に立っている感(承認欲求)」が満たされることが重要です。
有名なマスローの欲求ご段階説の5つ目の「自己実現の欲求」も、自己だけが満足しただけでは心は満たされません。そうした状態を周りの人に認めてもらって初めて満足に繋がります。
つまり、人と関わりながら社会で生きる我々にとって、糧を得る手段でもある「働く」という行為は、まさに「人生」そのものと言えます。
まさに、「働く」とは「人生」なりではないでしょうか。
ただ、働き方改革の法律では、手段としての「働き」について改善すべきと言っています。
この法律による規制の手段には、異論もあります。しかし、こうした機会に日本社会のあり方を考えるきっかけにすべきと考えます。そうしないと誰かに「ボーと生きてんじゃねぇよ!」で叱られます。
日本の労働生産性は先進国最低と言われています。
先進国の中で日本だけ過去20年の平均給与は下がったとも言われています。
また、逆に日本人の学力は世界トップクラスです。
皆で力を合わせて頑張る姿も、世界で称賛されています。
一見、矛盾することが起きているようにも思えます。
しかし、見方を変えるとそうでもない気がします。
「長い時間会社にいることが仕事をすること」だと勘違いしているのではないでしょうか。
仕事は質が大切です。
仕事の質で重要なのは「働き」と「動き」という大野耐一(トヨタ生産方式の生みの親)さん考え方です。
「働き」とは、お客様目線で付加価値を生み出す仕事
「動き」とは、お客様目線で付加価値につながらない仕事で、ムダと言っています。
日本人の労働時間の中に、この「動き」に相当する時間がとても多く含まれていると考えています。
少なくても8割は「動き」ではないでしょうか。
「動き」を見つけ、排除・削減・代替(機械化)することで、社会は変わります。
これに対し、「働き」は「創造・思考・意志決定」などの行為だと考えます。
是非、皆さんが日々行っている仕事見つめ直す機会にしませんか。
そのためには、常識という固定観念を否定しないとなりません。
とにかく、自分のいま行っている仕事が必要な理由を挙げてみましょう。
そして次に、その自分の答えに対して、全否定するかのように何故と自問してください。
これを最低5回チャレンジします。
その結果「必要・必要悪・不要」などの行き先が分類されます。
不要は廃止
必要悪は削減や機械化などにより極小化を目指しましょう。
これを進めたら作業時間は少なくてもいまの3分の2程度にはなります。
日本人の多くの労働時間の大半はムダなのではないでしょうか。
ぜひこの機会に、自己弁護せず、言い訳をせず、自己否定を繰り返して真の働き方改革を目指しませんか。