リーダというと経営者・管理職・プロジェクトマネージャ・チームリーダなど様々な立場があります。リーダに求められるのを1つ挙げるとすれば「リーダーシップ」でしょう。
今回は、このリーダとリーダーシップについて考えてみたいと思います。
皆さんはリーダーシップとは何かと問われたときどのように答えられますか。
まずは辞書を引いてみると「統率力や指導力」といった意味が最も一般的です。
しかし、日々のリーダの行動として、どうすれば統率できるのか。どうすれば指導できるかは書かれていません。これが最も大切です。知識が増えるのはいいことですが、増やしても行動に結びつけないと意味がありません。
リーダにとって重要な要素は一般的に次の10だと考えます。
- 組織を運営する際の能力
(1)目標設定能力(ゴールの明示)
個人でも組織でも何かを達成するためには、必ず目標設定が必要です。特に、組織においてはメンバーの向かうべき方向がバラバラでは組織としての力が削がれます。組織としての目標を示すことが重要です。
(2)実行計画能力(道筋の明示)
決めた目標を達成するためには、個人でも組織でも計画(マイルストーンと手順など)が不可欠です。未知の仕事であれば手順などわかりません。そうした場合でも、マイルストーンを定め、示す必要がります。
(3)計画遂行力(メンバーのセルフチェック)
立てた計画を元に業務を進める能力です。ここで日々の作業に没頭すると、全体の目標が見えなくなるのが人間です。ただ、分岐点に差し掛かった時に地図を見るのと同じように、計画を見て方向を是正しながら進めるための能力です。
(4)意思決定力(決断力)
計画通りに進まなかったり、想定外の障害が発生したりしたときには、組織として岐路に立ちます。ここで重要なのは、組織が迷子にならないための意思決定能力です。この能力は合議制社会・村社会に生きる日本人にとっては苦手な能力ではないでしょうか。
(5)権限委譲と結果責任力(覚悟)
組織で進める仕事で、メンバーに権限を移譲し、結果責任は俺が取るという能力で、リーダにとっては最も一般的かつ不可欠な能力です。連判状的な責任のとり方が根付いている日本社会においては、この能力も苦手な能力ではないでしょうか。仕事の手順に口を出しすぎる上司。結果責任を明確にしない上司など身近にいませんか。 - 人との関係性における能力
(1)やって魅せる力(影響力)
リーダたるものを生き方。仕事への取り組みの姿勢などにおいてメンバーの参考事例や参考目標になるべきだと考えます。やって魅せるためには、自分自身が仕事を楽しくすることです。辛そうな上司に魅力を感じる部下はいません。「自分もあんな風に生きたいな」などを思ってもらうこと、これは直属のリーダでなくても発揮できる力で、権限を超えた「影響力」と言えます。
(2)させてみる力(みまもり能力)
させてみる力とは、まさに人材育成のことです。人材育成において知識は教えられますが、知恵は教えられません。人材育成においてはその人が得た知識や経験を活かして「知恵を出す力」を身につけてもらうことだと考えます。そのために教えすぎず「見守る力(忍耐力)」が大切です。見守るとは何もしないことでもないため、とてもさじ加減の難しい力です。
(3)人間観察力(ひと声行動)
メンバーの心身状態は、組織の目標達成を左右します。常に心身の状態を把握するために、「ひと声行動」をお薦めしますが、こうした行動を通じてメンバーの心身の変化を早期発見する力は不可欠です。人に対する興味。人の弱さに対する理解。人はミスをする動物であることの理解などが重要です。
(4)コミュニケーション能力(聞く力)
メンバーの心身の状態を観察し、気になったらコミュニケーションを明るく・下手からのコミュニケーションが大切です。ここで重要なのは聞く力です。早期発見の身体の課題は、バランスの取れた食事と規則正しい睡眠。心の課題は吐き出しです。多くの心の課題は、早期発見であれば人に話をするだけでスッキリしたり、自己解決したりするものです。リーダが説教的に話すことは逆効果です。自分の価値観や固定観念の押し付けてはいけません。相手の考えをしっかり聞くことが重要です。人が身だしなみをチェックするために鏡を見るように、リーダはメンバーの悩む「心を写す鏡であれ」と思います。
(5)後押し力(お陰さま力)
人間は悩んだり、転んだり、失敗したりするものです。この時、自分ひとりでは立ち直れないことも多々あります。しかし、こうした問題に対しては自力で越えるしか方法はありません。しかし、人は一人で生きることはできません。多くの人のお陰で生きられています。リーダに求められる人間関係性における最後の力は、そうした人に対して背中を優しく「後押しする力」です。自分が押したと気づかれないくらいの力で押してあげましょう。
そうした力の中で私が1つだけあげるとしたら、影響力だと思っています。
つまり、自分が楽しくしっかり行きことこそがリーダーシップだと。
リーダーシップとは「影響力」なり
したがって、リーダは「活き活き生きる人」ではないでしょうか。