皆さんのお客様とは、皆さんの仕事した成果(文書やプログラムなど)を渡す相手のことです。つまり、会社にとってのお客様はもちろんですが、上司がお客様の場合もありますし、部下がお客様の場合もあります。

大野耐一(元トヨタ自動車副社長)はトヨタ生産方式(自著)の中で、「後工程はお客様」という言葉あります。この言葉について解説します。
物づくりにおいては、自分のお客様(後工程)に対して、希望される品質のものを、希望されるタイミング(希望納期)までに、希望される数量だけを納めることです。この定義に従えば、不良を後工程に流したり、希望納期に遅れたり、数が足りなかったりすることなどもっての外です。
これを私達の仕事に置き換えてみるとうどうでしょうか。
まず、皆さんは毎日の仕事で「お客様」をどれだけ意識して仕事をされてますでしょうか。
私は社会人になったのは約40年前ですが、このときに私の人生を大きく左右した一冊が、この「トヨタ生産方式」ですが、この本の中に、深く流れている考え方が「お客様本位の考え方」です。この考え方に共感し、仕事の中で実践するようにしてきました。製造業であれば作っているものは形あるものですから、評価もしやすいのですが、我々の作る「システム」なるものは、曖昧なものです。
そのためか、お客様に対する意識が希薄ではないかと感じることが多々あります。特に、こうしたことを感じることが増えてきたように思います。憤りすら覚えることもあります。

私はこう考えます。企業の使命は「継続すること」です。そのためには、「お客様の信頼」こそ、不可欠だと確認しています。
「信頼」とはお客様に「信じて頼って頂く」ことですが、皆さんは、自分のお客様から「信頼」されていると実感したことはありますか。人(お客様)が困ったときに「悩みを相談する相手」が信頼される人だと私は思います。

皆さんは、
・お客様が困った時に相談されたことはありますか?
・お客様の悩みが、役務外の仕事でも一所懸命心を込めて対応できましたことがありますか?
・納期遅れして理由を問われた時、言い訳的な対応をしてしまったことはありませんか?
・プロジェクトのお客様とのトラブルの理由を問われたとき、お客様側の原因を最初に挙げませんか?
・難しい仕事などに退治した時、できない理由を先に挙げませんか?

最近、仕事の契約形態において請負契約から準委任契約に変わって来ています。
この準委任契約は「結果責任を負わない契約(結果責任はお客様)」というものです。
自分がお客様の責任者立場で、こうした相手に信頼を寄せられるでしょうか。
もちろん、契約形態如何に関わらず、一線を超えてお客様本位に行動する人もいます。しかし、これは会社の方針を逸脱した行為です。厳密にはやってはいけないことですが。
皆さん、自分が仕事を頼む立場で考えてみてください。
部下に仕事を頼む際に、指示内容が曖昧で部下が納期通り持ってきた資料に不満を感じて指摘をしたことはありませんか。そのときに「このくらい考えてやれよ」などと思ってはいけないということなのです。こうした部下に信頼を寄せることができるでしょうか。

私は40年間、お客様以上にお客様のことやお客様の会社のことを考えるようにしてきました。
そのお蔭で、長くお付き合いいただけています。困ったときに相談されることも多々ありました。

皆さんが、どんな仕事をされるか、
仕事とどう向き合うか
お客様とどう向き合うか
そして、自分とどう向き合うか

皆さんがいまされている仕事について、自分はお客様本位に行動できているか考えてみていただけたら幸いです。

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