企業の目的を聞かれたとき、皆さんはなんと回答しますか。
「利益をあげること」と答えていませんか。

利益をあげるのは、企業の真の目的を達成するための1つの手段に過ぎません。
企業の真の目的は「継続」です。
企業の継続させるために必要なものはなんでしょうか。
その企業は、社会的責任を果たしながら、顧客や市場の「満足」を得ながら、生存しつづけることだと考えます。

そのために、適正な利益を得なければなりません。
しかし、最近の社会の流れは、短期的な成果を求める傾向(今さえ良ければいい。今さえしのげばいい)が目立ちます。
継続性を考えたときに重要な目的が忘れ去られているような気がしてなりません。
特に気になるのは「顧客満足の視点」と「人材育成の視点」です。

この2つに共通しているのは達成するためには以下の3つのポイントがあります。
・長期的な積み重ねが必要なこと
・自分の努力も相手の心を媒介して結果が得られること
・積み重ねも「失敗」ではなく「信頼の失墜」により一瞬で崩れ去ること

短期的な結果を求める中では、手間がかかり厄介な目的と考えられ、「顧客に対する敵対的行動」や「人は使い捨て的行動」が生まれてきたのではないかと思います。

私は社会で生きるようになって40年です。
サラリーマンを離れて35年です。
この経験の中で、多くのお客様に助けていただきました。その結果、長くお付き合いいただいています。短期的には損した仕事もあったかもしれません。利益の薄い仕事もあったでしょう。しかし、私は確信しています。お客様と長くお付き合い頂けていることこそが最大の利益だと。

また、この過程の中でした仕事は多くの人といっしょに進めたものです。
つまり、私だけの努力ではなし得なかったものばかりです。
それぞれの仕事に関わった方が、同じ方向に向かって積み重ねた結果で生まれたものです。

もちろん、仕事には失敗は付きものです。
失敗をしても、信頼を失わずに来られました。それには訳があります。
信頼とは字のごとく「信じ頼られること」です。信頼を得て頂けたのは、「平時において、お客目線でのあるべき姿の追求」と「失敗や事故が起きたときの行動」にあったと考えます。

●平時におけるお客目線でのあるべき姿の追求
お客様が発する言葉はユーザ要件とは限らない。お客様の言葉をもとに「自分なら」という目線でユーザ要件を考え提案し続ける
●失敗や事故が起きたときの行動
・失敗や問題を発見したとき、相手が「早い」と感じるタイミングにコンタクトする
・失敗を故意にしたら謝らないといけませんが、そうでなければ「ただ謝る」ということは決してしない。ただ誤って来る人には頼れない。
・失敗をした人が悪いわけではなく、「失敗」は追求しても「失敗した人」は追求しない
・失敗や事故の影響をお客にとって最小限にするための知恵を出す
・恒久的には失敗の根っこにある仕組みの穴を見つけ、埋めることを考える(埋まらないことも多い)

自社の利益の最大化や損失の極小化に意識を持っていかず、自分に対する顧客の信頼を得ることこそが自社の長期的な利益になることが需要であると理解することだと確信しています。

仏教の教えに「無常無我」という言葉があります。
無常とは、世の中には何一つとして変化しないものはないが、双方(自分と相手、企業環境、社会など)が変化し続ける中で縁あって出会った相手(この場合はお客さま)と出会いに対する感謝の大切さの教えです。そのには「いいお客さま」も「悪いお客さま」もありません。

どんなお客さまに対しても信頼を得る努力しつづけ、出会いに対して「ありがとう」の気持ちで感謝することが大切なのです。
無我とは、世の中には何一つとしてそれだけで存在しつづけることはできない。いろんな人、いろんな企業、地域などいわゆる企業のステークホルダーのお蔭で存在できているのです。
常に、その関わりある人達に「お陰さま」の気持ちで接するこのとが大切なのです。

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