皆さん、改善視力は測定してみましたか?
視力が1.5以上の方はプロのPM(超一流)といいてもいいかと思います。
1.0~1.4の方も十分とまでは行きませんが、PM能力はあると言えます。
0.7~0.9の方修行は必要ですがPMとしてやっていける可能性はあると思います。
0.4~0.6の方はPMをやるにはちょっと早いと思います。
もし、やる場合は眼鏡(知見のあるアドバイザー)をつける必要があります。
0~0.3の方はこれから指標を意識して勉強してください。
この20の指標は対象の業務やシステム(もの)に関する知識や経験、持論の有無を問うたものです。
これ以外にマネージメント(人)に関する目線が必要です。これに関しても視力を測ってみてください。私が普段のマネージメントで意識している指標です。
皆さんはライン組織に所属しています。それ以外に同時にプロジェクト組織にも所属している人がいます。ライン組織とプロジェクト組織の決定的な違いがあります。
それは何だと思いますか・・・・?
ライン組織は継続的であるのに対して、プロジェクト組織は期間が限定していることです。
また、ライン組織の目的が総合的であるのに対して、プロジェクト組織は1つであることです。
つまり、1つの目的を達成するために編成された期間限定の組織です。
ライン組織では組織の目的を継続的に達成するため組織力を向上させるための人材育成が重要です。
しかし、プロジェクト組織は期間限定の組織であるため重要なのは人材活用です。
人材活用とは1つの方向(プロジェクトの目的)に向かって、プロジェクトに所属するメンバーの能力や特徴を最大限に発揮してもらうことです。
人が能力を発揮する場面には次のような場面があります。
1.火事場
「火事場の馬鹿力」のような「火事場」です。しかし、火事場が連続するような状況が続いた場合はどうでしょう。人は疲弊し、やる気はもちろん思考力はメルトダウンします。能力が発揮できるからと言って意図的に火事場を作ることはありません。これではプロジェクトは成功しません。
2.ランニングハイ
マラソンのランニングハイに代表されるように、集中力が非常に高まり、能力がフルスロットル(能力最大限)状態で回る状態です。しかし、この状態も後でどっと疲れが降り掛かってきます。また、ランニングハイな状態を意図的に作ることは困難です。したがって、これもプロジェクト組織におけるマネージメントでは使えません。
3.やる気スイッチ
仕事は会社や上司、または顧客に命令・指示・依頼されて行います。こうした仕事に対して人は、「やらされている」や「楽しくない」などと思うことがよくあります。この思ってしまうとその人はノルマのように仕事をこなすことになってしまいます。こうした受動的な仕事のやり方だと7割程度のパフォーマンスしか発揮されません。
しかし、こうした仕事でも自分なりの目標が見つかると、自らの意思で行動しだします。いわゆる「やる気スイッチ」が入った場合の行動です。
プロジェクトマネージメントにおいては、3つ目の「やる気スイッチ」をいかに入れられるかが重要だと考えます。やる気スイッチは外圧では入りません。本人の能動的な意思により自分の目標を目指すときにのみ入ります。そして、その結果目標が達成できると、その際に溢れ出す満足物質(ドーパミン)により、次なる目標を求める好循環に陥ります。プロジェクトの全メンバーがこうした状態になると、きっと進捗管理など不要になります。
叱責してもスイッチは入りません。好循環を産み出すために次の5つのポイントが大切です。
(1)失敗は「宝もの」
失敗した人は「問題」の発見者。問題は「仕事のやり方にあり」として接することです。
(2)中日程(関所と通行手形を決めるマイルストーン管理)はPMの仕事
マイルストーンといえば、一般的なフェーズの切り替わりはマイルストーンですが、私が考えるマイルストーンは以下の4つです。この4つのポイントが私の考える関所です。ここを通過する際の通行手形については別の号で書きます。
・要件定義フェーズの8割の地点
・システムテスト開始の2週間前
・システムテスト終了の8割の地点
・本稼働2週間前
(3)フェーズによる進捗管理の決定的違いの理解
「進捗管理の分母がないフェーズの進捗管理」と「進捗管理の分母が明確なフェーズの進捗管理」。この管理の考え方の詳細は別の号で書きます。
・分母がないフェーズではマイルストーン管理
・分母のあるフェーズは進捗率管理
(4)小日程は各自の仕事
自分の仕事の計画は自分で立て責任を持つことが不可欠です。自分で計画しそれも守る。自分で立てた計画に対して、問題の発生により納期に影響するような場合は、自分なりに対策を考えて責任者に報告する習慣をつけることが進捗管理の真髄です。計画立案段階で管理者がすることがあります。小日程で管理者が行うべきは、計画が狂うリスクの「事件事故」がどこまで想定されているかチェックすることが大切です。この管理の考え方の詳細は別の号で書きます。
(5)進捗会議はムダ中のムダ
順調な人ほど迷惑を被ります。進捗チェックはセルフチェックが原則です。進捗に影響する可能性トラブルを報告したら「よくできました」。その報告で対策も考えたら「大変よくできました」。決して、進捗遅れ(結果)は叱責しない。遅れるまで放置したのは管理責任です。
この5つの視点で自分のプロジェクトを評価してみてください。