皆さんは「なぜ仕事をするの?」と聞かれたら何と応えますか。
皆さんは仕事をしている中で、嬉しかったことはありますか。
皆さんは仕事をしている中で、悔しかったことはありますか。
皆さんの仕事のモチベーションはどんなときに高まりますか。
皆さんは「人生」や「命」について考えたことはありますか。
憲法には国民の三大義務が定められています。
皆さんは日本に住まわれている以上、知っているべきことです。
「教育の義務(26条2項)」「勤労の義務(27条1項)」「納税の義務(30条)」の3つです。
教育の義務とは、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」
勤労の義務とは、「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。」
納税の義務とは、「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」
この3つの義務の1つ1つに私の思いはありますが、今号では「勤労の義務」と「自分にとっての仕事」について考えてみたいと思います。
「なぜ仕事をするの?」と問われた時「国民の義務だから・・」と応える人は、ほとんどいないのではないかと思います。
では、なぜ仕事に就くのでしょうか。
私は新入社員教育の講師もするのですが、最初に聴く質問は「皆さんはなぜ仕事をするのですか」です。
統計を取っているわけではないので、正確な件数はわかりませんが、その年により回答に偏りがありました。
その偏りは、その年代によるものなのか、最初の回答者の流れに沿ったものなのかはわかりませんが、大別すると次の2つでした。
1つは、数年前に多かった回答で「お金のため」や「生活のため」というものです。
もう1つは、最近の回答に多いのですが、「自分の生きがい」や「夢の実現」的な回答です。
社会人として、何年も過ごされている皆さんは、改めて自分なりに回答を考えてみてください。
教育期間と老後を除くと社内人として過ごせるのは40年から50年(438,000時間)でしょう。
50年の中で寝たり食べたりする時間が3分の1とすれば、活動可能時間は292,000時間です。
この時間に占める仕事に関連する皆さんの時間はどのくらいを占めますか。
(8時間+平均残業2時間+通勤2時間)×5日/週×52週×50年=156,000時間。おおよそ活動可能時間の半分強の53%にあたります。仕事の疲れを癒す時間も入れたら3分の2ほど占めるかもしれません。
つまり、事実上人生の大半を締めているのが仕事に関わる時間です。この時間を如何に過ごすかは、その人の人生そのものの充実度を大きく左右すると考えます。
もう1つ、重要なのは「時は戻らない」ということと「命の長さはわからない」という絶対的な現実です。
よく人生は「細く長く生きるか」、「太く短く生きるか」といいます。ここで長さは自分ではわかりません。そうなると人生は「細く生きるか」、「太く生きるか」となってしまいます。
人は生への執着があります。できれば充実した日々が長く続いて欲しいと考えているではないかと思います。逆に、充実した日々が過ごせなくなったら死んだ方がいいと考える人も多いのではないかと思います。
人にとって大切なのは「充実した日々」が如何に過ごせるかではないでしょうか。
そのためには事実上人生の大半を占める仕事における「充実度」は人生における充実度に大きく影響するものだと考えます。如何に仕事の時間を「充実した時間」にできるかが大切なのだと考えます。